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ハミンと僕の3年間の記憶

韓国人の彼女ハミンと、僕との間の3年間に渡る恋の物語です。 内容は全て実話です。 ハミンとの出会いから、僕の交通事故、ハミンがイギリスへと旅立ち離れ離れになった1年間、そして韓国で別れをするまでの僕の恋を描いています。

(10/17) 2度目の留学宣言

僕らは変わらず楽しく、丸の内で公園デートしたり、自然体のまま楽しんだ。平和な日々が続いた。
ただ、平和な日々と考えていたのは僕だけだったようだ。ハミンは決して僕にわからないように、ずっと考えていたことがあったようだ。
そして、それが明かされる日がきた。僕にとっては2度目の大きな衝撃となる。そこから僕とハミンは落ち着かない日々を過ごすことになる。
ある日一緒にいるときにハミンは、言いづらそうに話をし始めた。
海外に行きたいという気持ちは消えず、今度はデザインの中心であるイタリアのミラノへ留学したいという気持ちを話してくれた。
家族とはすでにそうしたことは話をしてあるそうで、家族も応援してくれているとのこと。
この話を聞いたとき、今度は僕は反対することができなかった。
前回の半年前にアメリカに行くという話があったときには、僕は猛烈に反対をした。そのときにハミンに言われた、「なんで私の気持ちをわかってくれないの」という言葉がずっと頭の中に残っていたのだ。

だから僕は、行かないでほしい、ということは決して言えなかった。詳しく聞くこともなく、「わかった。ハミンが決めたことだから。おれは応援するよ。」そうしたことだけを伝えた。
この応援したいという僕の気持ちも本気だ。ハミンには将来後悔するような選択をしてほしくはない。その才能を活かしてほしいと思っている。
ただ同時に、今回は3年間という長い期間となるようだ。
本当は行ってほしくはない。やっといろんなことが落ち着いてきた中で、これだけお互いが好きだと思える関係だからこそ、ずっと一緒にいたい。
ハミンは覚悟を決めたようであったが、何か寂しげな雰囲気でもあった。

それからしばらくの間、僕は気持ちが沈んでいた。常に何か暗い気持ちであった。
嘘であってほしい。今回も気持ちを切り替えて、前回と同じようにやっぱり行かないと言ってほしい。正直、そんな気持ちだった。
ただハミンの前ではなるべくそうしたことが伝わらないようにした。ハミンが落ちこむのを見たくないし、僕自身も彼女の最大の理解者でありたいと思った。
結局僕はかっこいい彼氏でいたいという見栄があったし、彼女を嫌な気持ちにさせることに恐れていただけなのだ。
しばらくの間、何か全てが上の空だった。
頼む、行かないと言ってくれ。そういう気持ちだけだった。

そうしている間に物事は進み、ハミンは9月には仕事を辞めて、12月には一度韓国に戻り、そこからイタリアに行くということになった。
次の環境に向けて準備が着々と始まっていた。
僕は次第に受け入れざるを得なくなっていた。
ハミンが本当に行ってしまうということを。
長い間、会えなくなってしまうということを。
これまで当たり前に一緒にいたことが、これからはそうでなくなってしまうことを。
考えれば考えるほど苦しくなってくる。
ハミン、気持ちを変えてほしい。ただ、そういうことは今回に関しては起きそうになかった。
楽しい日々ではありながらも、心のなかで何かがずっと引っかかっていた。
ハミンと楽しい時間を過ごしても、すぐに寂しさがくる、そんなことが多かった。
それは僕だけではないのかもしれない。決断をしたハミンの方も、元々の明るい性格は変わっていないものの、そのすぐ裏には寂しさが同居しているようだった。