ハミンと僕の3年間の記憶

韓国人の彼女ハミンと、僕との間の3年間に渡る恋の物語です。 内容は全て実話です。 ハミンとの出会いから、僕の交通事故、ハミンがイギリスへと旅立ち離れ離れになった1年間、そして韓国で別れをするまでの僕の恋を描いています。

(9/17) 平穏な日々

そうこうしている間に12月に入り、僕らは付き合って1周年となった。
実は、僕らはこれまでお互い長く付き合う経験をしたことがなかった。
僕はちょうど1年くらいが1番長くて、ハミンは1年間付き合うという経験自体がなかった。
だからこそ、お互い長く付き合えるか不安な気持ちがあった。
お互い最初からぴったり合う仲であったからこそ特に、最初盛り上がってすぐに落ち着いてしまうのかと思っていた。
が、全然そんなことはなかった。
僕らは1年付き合い、さらにお互いの愛情を深めている。僕にとってもハミンにとっても、新鮮な気持ちだ。そして1年をこえて付き合えることにお互いほっとした部分もあった。
ただ、そんな1年の記念の日は2人とも会うことはできなかった。
というのも、ハミンは会社の毎年恒例の旅行でグアムに行っていた。僕らはグアムと日本でメッセージをやりとりしてお祝いした。
帰国してからは、2人で落ち着いてクリスマスを過ごすことにした。
お台場のホテルのレストランでクリスマスを祝った。
ハミンは家にクリスマスケーキ、の代わりにクリスマス用のアイスを買ってくれてあった。
ハミンが言うには買いすぎちゃったとのこと。そんなことはあれ僕は嬉しい。
ハミンの家で、クリスマスバージョン2のスタートだ。冷凍庫を開けると、ものすごい量のアイス・・・。
確かに食べきれない量だ。ぼくらはもうやけになって食べる。が一向に減らない。
アイスの上にろうそくを並べてケーキっぽく演出してみたり。
クリスマスらしさはどんどんなくなっていくのは気にせず、2人は夜遅くまで語り尽くした。

その数日後。年末にはコウヘイとその彼女を揃って4人で旅行へ。
場所は行きやすいように近場。成田近くの自然に囲まれたコテージを貸切。
僕らは千葉駅で待ち合わせをし、僕が車で迎えに行く。何も決めていない僕らはまずは成田へ向かって車を走らせる。
途中でランチを済ませると、成田空港近くのさくらの山公園へ。
昔、成田空港で働く友人に教えてもらった、飛行機がすぐ近くで見られるベストスポットだ。
離陸する瞬間の飛行機をすぐ近くで眺めながら、僕ら4人の青春だ。
ハミンは韓国の家族へテレビ電話をし始め、お母さんと話している様子。途中から僕も出て、お母さんも僕のことを覚えてくれているようだ。
分かるのは僕の名前だけ。僕もわかるのは、お母さんを意味する「オモニ」だけ。お互い言葉が通じない僕らは会話はできないが、ニコニコしてるだけ。それでも伝わるものだ。

その後僕らは宿泊予定のコテージへ。
周囲が自然に囲まれて、静かで良い場所だ。リラックスし、お風呂に入ったあとみんなで食材の買い出しへ。
せっかくなので地元の食材を買い込んで、みんなで料理を作った。食事を楽しんで、その後はのんびり。この暗闇のなかでは、夜の星空もすごくきれいだ。
1年前に僕ら4人ははじめて出会った。こうして今はお互い彼氏、彼女の関係だ。まさか1年前にこうした状況で、当たり前のように4人で旅行に来ているようになっているとは思ってもいなかった。

その後、年も明けていつも通りの日常に戻って過ごしていると、ある日僕は土曜日に仕事が入った。場所は茨城の水戸。
せっかくなのでハミンも一緒に来るか聞いてみると、行きたいとのこと。
東京から車を走らせ、茨城へ。途中お寿司を食べたり、仕事が始まるまで観光したり。仕事の合間に2人で遊ぶのも、これもまた新鮮な体験だ。
今回僕は仕事の打ち合わせを1件だけにし、それも10分くらいの打ち合わせで本当にすぐに終わるものだった。
ということで、ハミンに聞いてみると、打ち合わせが終わるまで車のなかで待ってるとのことだった。
僕は打ち合わせをすぐ終わらせ戻ってくる予定であった。が、相手の方との話も盛り上がり、結局2時間も打ち合わせをしてしまったのだ。
この1月の寒い日に、ハミンを車で2時間も待たせてしまった。寒がるハミン。僕はずっと謝り続けた。もう、猛烈に怒られると思っていた僕だが、ハミンは許してくれた。ああ、本当にごめんなさい。

3月にはハミンの誕生日。
僕はこの日も出張だった。軽井沢での打ち合わせを終えると、東京にお急ぎで戻る。大切な誕生日。この日は絶対に遅れることのないように、予定を早めにしていたのだが、それでもギリギリになってしまった。
軽井沢駅でなんとか新幹線に間に合い、東京駅での乗換でも猛ダッシュ。息を切らしながらダラダラ汗を流しながらなんとか待ち合わせ場所に間に合った。
ふぅ、良かった。
場所は品川の海に浮かぶ船でのディナー。付き合ってからいろんな場所に行ってきた僕ら。
そんな僕らもここには来たことがなかった。ワクワクし、お祝いできたことが嬉しかった。
ハミンもこれで26歳だ。出会ったときは24歳だったので、少しずつまた大人の女性になってきたのかもしれない。